アートセンターサカモト 栃木文化社 BIOS編集室

「地域レポート」No.27

一人ひとりのあゆみに寄り添って 児童発達支援・放課後等デイサービス「Marcher(まるしゅ)」

4月22日、一般社団法人「かずあるかたち」が児童発達支援・放課後等デイサービス「Marcher(まるしゅ)」を栃木県宇都宮市にオープンした。翌23日に、元参議院議員、法務副大臣の谷博之さんが「まるしゅ」を訪ねた。長かった議員生活でも特に福祉に力を入れて活動、今もなおさまざまな支援を続けている谷さんから、代表理事の野添透さんをはじめ設立のメンバーにそれぞれの思いを尋ねた。

「法人の名前の通り、いろいろな環境で育った子がいて個性豊かなお子さんたちが寄り添える場所。できるだけ線を引かない、小さな箱に詰め込まない、いろいろな方が集まれる居場所づくりのひとつがMarcher(まるしゅ)です。実は自分の希望として大きなプロジェクトの目的があるのですが、その一環としての始まりが子どもの居場所づくりです。Marcherはフランス語で『歩く』。一人ひとりのあゆみに寄り添い、一緒に歩いていきます」と代表理事の野添透さん。


代表理事の野添透さん


理事は保育士の野添樹(いつき)さんと児童発達支援管理責任者、島田昌高さんの妻。島田さんは「以前は大人の方の働く支援を中心に並行してお子さんの支援をさせていただいていましたが、それらの経験が役に立つなら何かお手伝いできることがあるのかなと参加させていただきました」と言う。

樹さんは保育園と老人施設での勤務経験がある。「保育園に勤めていた時、どこか遅れのあるお子さんがおられるのは分かりつつも、横目で見ながら全体を動かしていかなければならないという、何とももどかしい思いを抱えていました。それらの思いを心に留めて設立に携わりました。改めてこういう場でお子さんをみていけるのは、とてもありがたいことだと思っています」。

今回、立ち上げに賛同して集まったスタッフは、看護師2名が常駐するほか、支援に関するさまざまなライセンスを所持する教師たちなどがいて、学習支援も十分に備えている。「非常に心強く、保護者の方も安心してお預けいただける体制が整ったと思っております」と樹さん。

事業所は行政から許認可されて運営するが、厚生労働省の管轄で各都道府県のルールに沿って定員が決められ、各事業所がルールの範囲内で実際の訓練や生活等の内容を決める。「まるしゅ」では他の事業所では行っていない視能訓練士による視覚トレーニングを取り入れている。眼球運動・視覚認知・身体のトレーニングを合わせて実施することにより「書くちから」「読むちから」「運動するちから」「集中力」などを、楽しく遊びながら育てていくという。


理事の野添樹さん

視能訓練士によるトレーニングの見本


島田さんは「今、社会全体としても『障がい』がクローズアップされています。例えば発達障がいというキーワードが世の中に流布されるようになると、『うちの子は手帳を受けるほどの障がいはない』と思っておられるご両親が、やはりお子さんの何らかの遅れを心配して医師に相談すると、『それに見合ったサービスを受けられるように』と意見書を書いてくださいます。医師の意見書によっても事業所を利用できますので、利用できる幅が広くなってきています。対象の方が多くなっているというのは時代としてあるのかなと思います」と話す。


児童発達支援管理責任者の島田昌高さん

無垢材を豊富に使用している室内


Marcher(まるしゅ)の室内の床と壁は無垢材を使用、優しいぬくもりが伝わるスペースでのびのびと遊び学べる。広い庭は畑作りや泥んこ遊びのできるスペースが設けられている。隣接している市の戸祭山緑地では四季折々の自然の中で外遊びもできるという自然環境が整っている。「自然の中で楽しみながら、それぞれの歩くスピードに合わせて、お子さんの心とからだの成長をサポートいたします」と野添代表理事。


Marcher(まるしゅ)の職員の方々とインタビュアーの谷博之さん(前列右から2番目)

自然に恵まれた場所で

相談室


お問い合わせ・施設見学・ご相談等は下記へ。

◇利用時間

 児童発達支援(0歳~6歳)

  水・木・金・土・日曜日及び祝祭日 10:00~14:00

 放課後等デイサービス(小学生・中学生・高校生)

  水・木・金曜日 12:00~17:00

  土・日曜日及び祝祭日 10:00~17:00

◇定員 1日の定員:10名

◇住所 栃木県宇都宮市戸祭町2755-3

◇TEL 028-666-4721

◇ホームページ 

https://www.marcher.jp/a>

◇メールアドレス kazuarukatachi@marcher.jp

◇事業所運営 一般社団法人かずあるかたち