アートセンターサカモト 栃木文化社 BIOS編集室

「地域レポート」No.5

気仙沼に花火を上げる -栃木めっけの会-

東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市で栃木県のボランティア団体「栃木めっけの会」(斉藤秀夫会長)が花火を打ち上げる。

気仙沼とのつながりは約8年前、現在、気仙沼復興商店街・南町紫市場の理事長を務める村上力男さんとの出会いから。当時、気仙沼のほか、仙台市や岩手県にも支店を持つ寿司の名店を経営していた村上さんを、宇都宮市の経営者たちが招いて講演会を開催した。その後、宇都宮のメンバーが気仙沼を訪ね、交流を深めた。

東日本大震災で気仙沼は大きな被害を受けた。村上さんの店も壊滅的な被害を受け、休業を余儀なくされた。震災から間もない4月、村上さんを知る宇都宮の経営者たちが中心になり、大型バス1台で、炊き出しのボランティアとして気仙沼の避難所、紫会館に入った。

震災前から「電気を消してキャンドルの灯りでスローな夜を」をテーマに活動を続けてきた「キャンドル雷都とちぎ」の矢古宇栄次さんは、そのときの様子を「泥と瓦礫に覆われた町に立ったとき、生きるものの声や音、気配さえ感じない静けさに身震いしました」とFacebookに記した。

花火の打ち上げを発案したのは「めっけの会」副会長で益子町の高徳花火工場の飯田国夫社長だ。炊き出しボランティアに参加し、気仙沼の惨状を目にし、被災者に元気を届けようと花火での被災者支援に乗り出した。そこに仲間たちが賛同し、2012年6月、「めっけの会」が発足。寄付金を募り、集まった浄財でスターマインなど500発を打ち上げることを計画した。打ち上げは、12月8日に決めた。

当日は、花火を見に行くバスツアーも企画された。「めっけの会」以外にも、栃木県のボランティア団体が気仙沼に駆けつけてブースを出店。残念ながら、花火は強風によって断念せざるを得なかったが、「キャンドルナイト」を開催し、ブース出店の益金を地元の児童養護施設に寄付することができた。

仕切り直しの花火打ち上げは、2013年3月16日に決まった。打ち上げ場所を海辺に確保するのは困難なため、高台にある紫会館そばの小学校から地元の花火師によって打ち上げられる。

津波で消失してしまった商店街を再生するため街づくりの先頭に立つ村上さんは、震災後も全国各地で講演を続けている。2012年11月には、宇都宮市でも「東日本震災を体験して」と題して講演した。その村上さんが仮店舗で営業を再開した気仙沼復興商店街・南町紫市場から、「めっけの会」が打ち上げる花火がよく見えるという。

(2012年12月取材)

「めっけの会」会議。前列左から長坂さん、野添さん、矢古宇さん、齋藤さん、小太刀さん、後列右から堀さん、鵜飼さん

村上さんへ「めっけの会」からサイン入りボールで贈呈式

気仙沼地域を代表して挨拶

栃木の仲間たち

ボランティア団体 栃木めっけの会

実行委員長 齋藤秀夫

事務局 北関東経営労務管理事務所

住所 栃木県宇都宮市鶴田1丁目1-14シャーメゾン鶴田・B棟・D号

TEL:028-666-8273 FAX:028-666-8768

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