まずは、お知らせをさせていただきます。今年も「宇都宮空襲展」を開催します。
日時は、7月17日水曜日午後1時から21日日曜日午後5時まで。場所は、宇都宮市の中心街にあるオリオン通りのなかの”オリオンACプラザ”です(東武百貨店寄りです)。入場無料ですので、ぜひお越しください。
「戦争」のことを”語り継ぐ”活動は、行政や学校・各団体などで、体験者の方々をまねいて行われていたり、絵本など関係書籍をもちいての読み聞かせ会など各所で開かれています。私たちの会でも講演や紙芝居などをしていますが、まずその”語り継ぐ”第一歩/原点は家族内や家庭内ではないかと思い、その想いをテーマに「その時、あなたの家族がどうしていたか知っていますか?/34回宇都宮空襲展」を昨年開催しました。
その時に集まりました皆様からのメッセージを紹介していきたいと思います。実際に体験された方々の証言も数多く集まりましたが、今回は、家族から聞いた事や家族に関するエピソードなどを紹介します。
68才女性から〜「母からもっと詳しく聞いておけば良かった! 体験のある人が身近にいたら、ぜひ聞いておくといいと思います」「大寛町の自宅から、幼い妹と弟を連れ、歩いて田野町の親戚まで逃げた。大勢の人が鹿沼方面に向かって歩いていた。一晩親戚に泊めてもらい、次の日家に戻ると街は大半焼けていて、自宅から東武電車のあたりまで見渡せた。」など「母は何度も何度も空襲の話をしていました。よほどの衝撃だったのだと思います」と寄せていただきました。
67才男性は〜「母は国鉄の出札係として勤務をしておりました。空襲当日は宿直だったので職場の友の手を引いて駅のホームから今泉の東方面の田んぼの中を油まみれで逃げて二人(とも)無事だった」と言っていた母が近年亡くなられたらしく、不幸な戦争を知る「生き証人が少なくなった」と想い溢れる字で書いていただきました。
42才男性は〜ばあちゃんから「ばあちゃんのお兄ちゃんが陸軍にいて、おはぎを持ってきたときに(上官に見つかるとイジメられるので馬フンの中に隠して)宇都宮の空襲にあい、逃げるとこがないから宇都宮の駅のホームで寝てた」と聞いたそうです。など、地元である宇都宮・栃木県の当時の詳細な状況の一部が浮かび上がる貴重な話を多数知ることもできました。郷土史的にも有意義なことであり、埋もれていては惜しい証言となるので、もっともっと皆様方から教えていただければと思う次第です。また、軍隊に行かれていた家族の話も寄せていただきまして、
73才男性から〜「父が兵隊として中国大陸に行っていたことは、酒を飲んで酔っ払うと、時折口にしていた。しかし、中国のどこで、どんなことをしていたのか具体的には話さなかった。父の晩年の頃、私が入院中の父を見舞いがてら久しぶりに田舎に帰り、中国旅行で武漢・南京・蘇州・上海と巡って来た話をしたところ、父が『その逆のコースを俺は辿って武漢三鎮まで行った』とボソッとつぶやいた。そして『人が人を殺す、あんな戦争は思い出したくもない』と黙ってしまった」との事。「ひと、物、建造物など身近なところから『戦争』を知ることは大切です。まずそこから始めるとリアル感も増しますよ」とのメッセージもいただきました。
47才女性からは〜「祖父は中国に行っていたと聞いています。祖父は亡くなる30分前、病院の窓にたくさん飛ぶ”歓迎飛行”を見ました。『ほら、沢山飛んでいるよ!!』。もちろん飛行機など飛んでいません。かけがえのない青年時代を戦争と共にすごした祖父には見えたのでしょう。頑張れと歓迎されながら、この世を去りました」といった経験を書いていただきました。
39才女性は〜おじいちゃんから「戦争に行って(食べる物がなく)ヘビを食べた」など食に関する話を聞いた。亡くなる前に「戦争に行った時に食べたパパイヤがすごくうまかった」と言っていたので持って行ったが、食べずに亡くなってしまったそうです。色々と話を聞き、「なんでも手に入る事が出来るけれども、もっといろいろ大切に」「昔の人達の考え方などを知ってほしい」と思ったとの事でした。
今は行われていないのでしょうが、過去には県下の学校で「父母から戦争体験を聞こう」という事が実践されました(「あの日の赤い雨」昭和50年発行という本にまとめられています)。NHKの番組「ファミリーヒストリー」でも家族の事を辿っていくと必ず「戦争」が出てきます。今を生きる人々で「戦争」を経過していない家は無いのです。
他人事ではなく我が身の事として考えるために、身近な”語り継ぎ(知ること)”が大切なのではと思います。いつでもお待ちしておりますので、私にも”見たこと聞いたこと(体験や見聞きしたこと)”があるという方、ぜひお寄せください。どんな些細なことでも大事です。★Twitterで情報発信もしてます。ユーザー名 : miya19450712 です。もしくは、googleで「ピースうつのみや」と検索していただければ、ご覧になれます。