先ごろ全国学力テストが行われた。秋田県の小中学生は「早寝早起き朝ご飯」のお陰で上位キープ中といわれる。だが中学生の携帯所持が増え、夜更かしと不勉強を心配する声も出てきた。
過日、ある中学校の2年生に講義をする機会があった。中2の秋はわが世の春。3年生は夏休みで部活引退、受験を前に余裕がない。中1には睨みがきく。おまけに第2次反抗期真っ盛り。こんな中2に、携帯は寝不足や不登校、いじめの原因になるかも、とやっても時間のムダである。
そこで例のジョーク。客船が沈没して人々が救命ボートに乗った。だが定員3名オーバー。船長は米国人に言った。飛び込めば君は英雄になれる。彼はOKした。ドイツ人には飛び込むのが義務と言って了解。日本人には?「皆さんがそうしています」。中2たちは笑った。笑っている場合じゃない!
日本人の右倣い癖は欧米人に笑われてきた。それではいかんと個性尊重の教育を諸君は受けた。ところが親に携帯をねだる殺し文句は「皆が持っている」。一方、諸君の3人に1人は片親で、原因は離婚が多い。今あくびをした君と、もし私が結婚するなら役所が休日でも郵便受けに婚姻届を入れて完了だ。でもフランスでは、エイズは大丈夫かなど健康診断や財産証明など膨大な書類を準備し、もしもの離婚に備える。結婚手続きがあまりに面倒なため2人に1人はシングルマザーだ。(ほんと?)
いずれにせよ複雑な家庭が増えてきた。学校も政治も外交もみな複雑怪奇。こんな世界で生きてゆくには、何が正しいか、何が間違いか、自分で考え、「皆がそうしている」とは別の生き方を…。脱線話に中2たちは転覆した。