新型コロナワクチン接種の様々な準備会議に出ている。市主催の会議では、川崎市での接種訓練で予診票と医師の問診に手間取ったことから、高齢者が記入しやすいよう質問項目を減らす工夫など如何かという意見が出たが、「国が定めるフォーマットは変えられない」と医師の委員が反対した。
医師会ではアナフィラキシーショックへの対応を不安視する意見が相次ぎ、1人で接種するというある診療所の医師に、複数の医師でないと危ないぞとこれまた慎重である。また、接種後の副反応を見極めるため15~30分、その場に待機させる国の指針には、ショックは注射直後に発症する、会場の密を避けるためにも10分で充分という提案に、国に従った方が無難と話が進まない。因みにアナフィラキシーには学校教師も給食で対応している。
塩野七海のエッセイに「古代ローマ人は効率向上を図るための努力を惜しまなかった」とあった。効率のためには無駄を省くに限るが、無駄の選別は難しい。先日の模擬演習で私は住民役をやった。受付で予診票の確認に時間がかかり、次の保健師の問診では受付と重複するアレルギーの有無を執拗に問われ、医師の問診でも同じ内容の確認である。医師役の医師会長に「しつこいですねえ」と言うと苦笑したが、看護師による模擬注射は一瞬。椅子で経過観察5分後に接種証明書の説明を受けている間に注射から10分以上たっていた。新聞記者の取材に、予診票は自宅で記入して会場へ持参を、3回もの同じ質問は時間の無駄と私は答えた。
イスラエルでは多彩な接種会場と時刻設定により国民の半数に3か月間で2回接種を終え、余ったワクチンも廃棄せず優先順位が下の人に投与してよいとした。これくらい融通が利かないと戦争にも勝てまい。コロナ対策は「平時」より「戦時」、うちのワクチン反対娘は「依怙地」である。
2021/3/24
角館の桜(2年前の4月末)
角館を貫く桧木内川(この3月に獣医師になった末っ子)
依怙地なジヨン
21-03-15 レター57
写真撮影:大日向かなえ