ウクライナで謎の戦いを続けるロシア軍は、兵士不足からか他の理由もあったか、民間軍事会社「ワグネル」の手を借りている。ワグネルはいわゆる傭兵だから戦闘以外にも色々便利な面があるらしい。知人の自衛隊員に「もし君がワグネルの社長だったら、ウクライナで社員をどれくらい働かせるかね?」と問うてみた。「難しい。院長なら?」と逆質問する彼に、雇い主には善戦していると見せかけ、社員には死傷者が出ないよう最大限に気を配ると応えた。
中世ヨーロッパで騎士の一騎打ちだった戦争は18世紀に傭兵隊主体へ変わってゆく。傭兵は派遣会社の社員みたいなもので、社長は依頼主と契約を結び戦場へ赴く。依頼主が替れば今日の味方は明日の敵になるかもしれない。傭兵の供給元はスイスが多く、戦闘現場でスイス人同士が戦うこともあったという。どちらの社長も社員に死傷者が出れば保証が大変だから、戦闘は華々しく、被害は最小限にと考える。
こんな連中では話にならないとフランスではナポレオンが国民軍を作った。かくて戦争は国対国の構図となる。そのナポレオンがロシアへ攻め入り、ナチスドイツが侵攻した記憶がプーチンの頭に蘇りNATO憎悪につながったのだろう。しかし、自国の伝統的な南下政策は侵略また侵略、抑圧につぐ抑圧だった歴史は都合よく忘れ、何をするか分からないロシアとの戦を周辺の国々は避けようとしてきた。
戦果を巡ってワグネルは時々ロシア政府と対立する。わが社はよく成果をあげているとアピールするのも大事な営業活動で、ワグネルの社長もその辺は抜け目がない。塀の中の懲りない面々の社員多数とはいえ保証を考え損害を減らす工夫もせねばならぬ。それにしても国連や経済相互依存にミサイルのこの時代、まさか戦車で隣国を攻め込むとは思わなかった。こんな甘い考えにロシアは容赦ない現実を突きつけ、ウクライナは抵抗のド根性を見せ、各陣営の相矛盾する情報は世界を困惑させ、戦は泥沼化する一方だ。2023/3/15
ナマハゲになる前の神事(男鹿の柴灯祭2月10日)
ナマハゲになった若者たちは奇声を上げる
群衆の中へ繰り出すナマハゲたち
ナマハゲ伝道師の友人(左)と
田沢湖スキー場(2月11日)