受験帰りの息子に二次試験の話を聞いて吹き出した。某大学では個人面接ではなく、受験生6名1組で30分間、「18歳選挙権について」のディベート(議論)だった。
だがこのテーマに全員沈黙。賛否を論じたらどうかと試験官が口をはさんだが盛り上がらない。試験官はその後3回介入したが結局30分もたず、10分で終了。「私たちは18歳選挙権が望ましいとは特に思わない」と全員一致の結論となった。何とか審議会の答申みたいである。受験生たちは、選挙権の18歳引き下げが、やがて税負担が激増する自分たちへの国のゴマすりと察知したのかもしれない。
自分も二次試験で面接があった。尊敬する医師を問われ、医学部定番のシュバイツァーと答えたら、待っていましたとばかりに、彼のアフリカでの医療は評価が分かれていると言われた。とっさに、彼はバッハ研究とパイプオルガン奏者としても有名で、ヨーロッパ各地で演奏して金を集めたところが偉い…。
秋田でへき地勤務を始め、異動先のある町役場へ挨拶に顔を出した。そしたら、私を覚えているかねと町長さんがおっしゃる。記憶にない。彼は旧自治省や県庁で働いた人物であった。いわく「君の面接はよく覚えている。シュバイツァー(1875-1965)と来たから、アフリカ医療の功罪について聞こうと思った。ところが君は金集めの話に切り替えちゃった」当時を思い出して二度冷や汗をかいた。
そこで息子に挑戦。「昔の元服は何歳かね」「14歳前後?」「当時一家の主は40で隠居して息子に家督を譲っていた。君の父は還暦です」「それって、僕に対するプレッシャーのつもり?」「ま、今年はどこかに決まってくれればいいが」「勝負は時の運って言うよ、お父さん」オノレ! この手で面接を通ればしめたものだが…。
最後はナマハゲ神社で神頼み
3人の受験生(息子と娘二人)に代わって滑る(阿仁スキー場)