アートセンターサカモト 栃木文化社 BIOS編集室

「栃木のステキ」No.8

和太鼓「天宝花舞」の坂本弘美さん

和太鼓に魅せられて

太鼓の力強い音で会場全体が激しく揺れる。心地よくリズミカルに打ち続ける和太鼓の音が、奏者と会場を一体にする。『天宝花舞』の名にふさわしく軽やかな衣装(写真1:坂本弘美さん制作)に身を包んだ女性たちの和太鼓演奏に会場は大喝采。額に汗した女性たちが輝いていた。

中でも際立ってスリムな身体でしなやかに力強く打ち続けていた坂本さん。和太鼓サークルとして地元で活躍している『天宝花舞』のいわゆるイイダシッペである。

「主婦業を第一に、無理せず楽しみながらやっています」と、厳しい練習にも主婦ならではのバイタリティーで乗り切ってきたメンバーが「天宝花舞の仲間達です」と説明する。

「子どもが幼稚園(宇都宮市、柿木幼稚園)のとき、園長先生が親たちにいろいろやらせてくださったんです。お母さんたちのがんばっている姿を子どもたちに見せることを提唱していましたね。そこで和太鼓サークルに属して3年間楽しみました」

しかし、子どもが卒園してそのまま止めてしまってはもったいないと、お母さんたちに呼びかけて独自に和太鼓のグループを作ってしまった。やがての『天宝花舞』スタートである。

「主婦たちでも、やればできるんだと思いました。家族の病気や子どもの学校のことなど、主婦ならではのさまざまなことがありますが、緊急の事態になっても、互いに気持ちが十分わかりますので、支えあってここまで続けてくることができました」

そして、8年前から、腕を磨くために和太鼓奏者大塚宝氏を迎えて出張教室を開き猛レッスンを受けた。「自分たちだけで練習していたのでは、なかなか成長はできません。ステージに立って皆さんに楽しんで聞いていただけるように、レベルをあげなければと思いました」

今や、宇都宮市をはじめ県内各地のイベントに招かれて演奏活動を続けている『天宝花舞』。「家族も始めはしぶしぶという感じでしたが、今では応援してくれています」

坂本さんは、主婦たちがさまざまな困難をクリアして継続してこられた一番の理由をあげた。「和太鼓奏者としてはもちろん、指導者としても尊敬している宝先生の稽古は、なかなか厳しいのですが、和太鼓好きな私達にとって、かけがえのない楽しい時間なのです」と笑顔で話す。

和太鼓に魅せられて約10年、大塚氏主宰の『宝塾』塾生でもある坂本さんは「今年は節目の『宝塾』10周年です。5月4日に記念の塾生ライブ『粋宝会LIVE 2013』に、『天宝花舞』のメンバーも参加させていただきます」と。ステージは強く美しい主婦たちの底力の見せ場でもある。

坂本弘美さん

写真1-日光での演奏(右から2番目坂本さん)

写真2-那須での演奏(右から2番目が坂本さん)

写真3-「天宝花舞」のメンバーたちと(前列右端が坂本さん)

『粋宝会LIVE 2013』チラシ

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