古典的なものから超現代的なものまで
父梅吉は大正11年栃木市人形製造老舗の娘山田タマと結婚し、その後独立して「丸山娯楽園」を大正11年に創業いたしました。その際に母方の実家から、江戸時代の人形や道具などを分けてもらい、今なお役に立てております。
私は人形に囲まれ育ち、子どものころから手元とし手伝っておりました。その後、10代で岡山県の人形師の所に修業に入りました。また歌舞伎の長谷川舞台で、舞台背景や装置の製作に入りました。家に戻り、両親のもとで修行し直し、人形師になることになりました。また背景などの描くことも学びました。
一口に人形といってもいろいろありまして、私の作る人形は等身大人形です。夏にはお化け人形、秋には菊人形、または妖怪人形などを作っています。その品物はテーマパーク、博物館、美術館、山車人形など、全国各地に納めていす。
また近年ではメカで複雑な動きをする人形もあります。昭和24年、戦後初の「横浜市日本貿易博覧会」に人形を出展しました。その後、各博覧会に参加しました。昭和28年、東京では浅草の「花やしき」、その後「多摩川園」、「後楽園遊園地(現東京ドームシティー)」などに展示しました。昭和63年、「イートピアとちぎ88」では栃木県知事賞。平成12年全国での特別熟練技能者受賞、平成12年6月20日、上野東京美術館にて国際公募で160点のうち工芸の部で厚生労働大臣賞を受賞いたしました。
平成3年にはイギリス・ロンドン「ロンドンダンジョン」、同年に足尾町「銅山観見人形」など手がけました。
また平成24年には有名タレント3名の注文があり頭を製作して届けました。
平成25年3月17日~4月16日迄、茨城県坂東市、猿島阪東観音開張12年に1回のお祭りの40場面120体の人形を製作、取り付けました。また平成26年3月には茨城県古河市葛飾阪東観音開張の人形の注文があり、現在製作中であります。古典的なものから超現代的なものまで、さまざまな人形を依頼され製作いたします。
(文:柳 誠/下野手仕事会40周年記念誌『下野手仕事会四十年之軌跡』P74-75より)