「伝統と文化―下野手仕事会―」No.3
阿久津 華重 -押絵-
染めて、描いて、押絵して
30数年以上も前に東京新宿のデパートで「大谷光栄押絵展」を見学して、初めて知る絹布の染描きの押絵作品の美しさに驚きました。以来、江戸友禅の教室で染めを、日本画では面相に必要な技術を習い、日本古来の色の微妙さ、一本の線の難しさを感じながら、押絵を作っています。
既存の布と、白生地からの染描きの布とを使分ける事に依り、私の作品作りは、より自由さを増し、調和を増す事となり、「東海道五十三次」や、「植物十二ヶ月」シリーズなどの、表情豊かな愛着のある作品が、多く誕生しました。
現在、作品の多くは、額や羽子板等に貼る事がほとんどですが、洋服の胸やスカートの裾に貼り付けたり、ブローチや子供達のオモチャにと、工夫を重ねて楽しむ範囲を広げて行きたいと思っています。
(文:阿久津 華重/下野手仕事会40周年記念誌『下野手仕事会四十年之軌跡』P22-23より)
下野手仕事会40周年記念誌『下野手仕事会四十年之軌跡』
- 発 行 日
- 2013年9月1日 第1刷発行
- 編 集
- 下野手仕事会四十周年記念誌編集委員会
- 発 行 人
- 下野手仕事会
- 編集・制作
- 有限会社 アートセンターサカモト
- 〒320-0012 栃木県宇都宮市山本1-7-17
- TEL:028-621-7006 FAX:028-621-7083
[定価]本体2,000円+税
©Shimotsuketeshigotokai.2013.Pronted in Japan
ISBN978-4-901165-06-8
◇問い合わせ先
下野手仕事会 会長 藤田眞一 TEL:0287-93-0703
(有)アートセンターサカモト TEL:028-621-7006
阿久津 華重
本名、ヤエコ。昭和17年、氏家町(現さくら市)生まれ。昭和55年、押絵作家柳川光陽氏に師事。その後、久月人形学院押絵教室に入学。押絵教室「華の会」主宰。平成5年、日本手工芸美術展名誉会長賞受賞。
〒329-1226 塩谷郡高根沢町大谷1623
TEL:028-675-3947