アートセンターサカモト 栃木文化社 BIOS編集室

「ビオストピックス」No.21

「県原爆死没者慰霊碑を守る会」による「第28回県原爆死没者慰霊式」を開催(2018年8月25日)

8月25日に宇都宮市の栃木県総合運動公園「憩の森」にある慰霊碑を前に栃木県関係者原爆死没者慰霊式が行われた。「県原爆死没者慰霊碑を守る会(仮称)」準備員会の主催により、被爆者、遺族など参列者約90人が犠牲者への慰霊の思いを胸に祈りを捧げつつ献花した。関係者挨拶により新たな団体の設立により慰霊碑を守り続けることと、反戦、核廃絶への誓いを新たにした言葉が力強く語られた。

谷博之氏の挨拶

元被団協代表中村明氏の挨拶

準備会委員長谷博之氏(元参議院議員)の挨拶(抜粋)

「1991年、平成3年8月5万4千人の署名を集め、募金によって建設された原爆死没者慰霊碑の前で今日まで挙行されてきた『原爆死没者慰霊祭』でありましたが、実施主体であった栃木県原爆被害者協議会が会員の高齢化等によって、本年5月19日をもって解散しました。そうした状況の下で県内にお住まいであった多くの犠牲者を悼み、慰霊を求める方々の思いを引き継いで後世に伝えていくべく、解散した被団協の元役員の方々とも協議をし、このたび慰霊碑を守る会の設立準備委員会を立ち上げ、慰霊式の開催を引き継ぐことになりました。

今から73年前、8月6日広島で、そして8月9日長崎で、数十万人という人たちの尊い命が一瞬にして奪われ、また多くの人たちが傷つき、いまなお後遺症に苦しんでいる人たちがたくさんいることを私たちは忘れてはなりません。こうした方々に心から哀悼の誠とお見舞いを申し上げますとともに、二度と核の使用を許さない世界を作っていかなければなりません。若い世代の人たちの中にも平和を求める率直な声が数多く聞こえてまいります。私たちはこうした人たちの声を大切にし、これからも平和を追い求めて力をあわせていかなければなりません。

元県被団協の方々をはじめ市民の皆さま、そして慰霊碑の建設や慰霊祭の実現に多大なご貢献をされました元宇都宮大学名誉教授故大崎六郎先生のご子息さまご家族の皆さまにもご参列をいただいております。故大崎六郎先生の思いを受け継ぎ、県内在住の被爆者の皆さまとも手を取り合って、これからもこの慰霊式を途切れることなく私たちの手で挙行していくことをお誓いし、永久の平和を祈りつつご挨拶と致します」

元栃木県原爆被害者協議会会長中村明氏による挨拶(抜粋)

「第28回の慰霊式をすることができ、天気も本当に台風の後の台風一過となりまして、こんな幸せな、そしていい慰霊式ができたことを皆さまに感謝申し上げます。私たち被爆者の運動を60年間やってきました。栃木県の被団協ができたのが昭和33年、それからちょうど60年になり、被爆者が高齢化いたしまして解散という形をとりました。

慰霊碑建立から28年間、この慰霊碑を守ってきましたが、これからはどうしたらいいかということで考えてまいりましたが、連合栃木の皆さんから『私たちが守っていきます』という喜ばしいお言葉をいただきました。本当に感謝に堪えません。これからも皆さまと共に核兵器廃絶を訴えていき、平和を守るために頑張っていきたいと思います。どうかよろしくお願いします」

献花の様子

慰霊碑と折鶴

原爆の歌を合唱

慰霊碑

栃木県原爆死没者慰霊碑を守る会 設立準備委員会

宇都宮市中戸祭町821 栃木県労働者福祉センター3階 連合栃木内

TEL:028-650-5555

E-mail:info@tochigi.jtuc-rengo.jp