アートセンターサカモト 栃木文化社 BIOS編集室

「美術館だより」No.4

企画展[共鳴する魂 関谷富貴と小山田二郎]

太平洋戦争終戦後、深い傷を負った日本で鮮烈な作品を生んだ二人の表現者が初めて出会います。一人は生前一切の作品発表をせず、没後40年を経てその才能が見出された関谷富貴。もう一人は人間性の深淵を厳しく見つめ、孤高の画境を開いた小山田二郎です。共に栃木県北地方にゆかりのある二人ですが、生前はお互いを知ることはなかったでしょう。しかし、二人の作品は深いところで互いに共鳴しあうかのような性格を持っています。

 

関谷富貴(せきや ふき)は 1903(明治36)年、 栃木県那須生まれ。画家の関谷陽と結婚し、世田谷の松原で暮らしました。その作品は周囲のわずかな人々に知られるのみで、才能に気づいた知人の画家が発表を勧めても「私の仕事は夫を世に出すことですから」と断っていたといいます。 1969(昭和44)年に没した後、作品は遺族が保存し、栃木県立美術館の調査によってその存在が明らかになりました。2011(平成23)年に同館の企画展「妻の遺した秘密の絵 関谷富貴の世界」で初めて公開され、その鮮やかな色彩と心の深淵を画面にさらけ出していくような表現は深く大きな反響を呼び起こしました。

 

一方、小山田二郎(おやまだ じろう)は 1914(大正3)年、父親の赴任先の中国(現遼寧省丹 東市)に生まれました。10代の初めに母方の郷里栃木県大田原に移り、少年時代を過ごしています。帝国美術学校(現武蔵野美術大学)に学んだ後、独立展、美術文化展、自由美術展等で作品を発表、戦後日本の人間像を厳しく見つめる 作風で画壇の寵児となりました。1991(平成3)年、77歳で没しています。その作品は人間精神の暗部をえぐるようなものであるにもかかわらず純粋な色彩の魅力にあふれており、今日なお多くの人々に愛されています。生前、出会うことなく、それぞれに独自の世界を切り開いた二人の表現者の共鳴は、21世紀の今日を生きる私たちの心にも深く響くものとなることでしょう。

関谷富貴《題名不詳》栃木県立美術館蔵

関谷富貴《題名不詳》栃木県立美術館蔵

小山田二郎《面をかぶった子供》1962年頃 栃木県立美術館蔵

小山田二郎《鳥女》1956年 栃木県立美術館蔵

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企画展[共鳴する魂 関谷富貴と小山田二郎]

【会期】
2017年10 月28日(土)-12月24日(日)
【開館時間】
午前9時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
【担当学芸員によるギャラリー・トーク】
2017年12月23日(土・祝)午後2時~(60分程度)
【観覧料】一般
700(600)円
大高生 400(300)円
中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金

栃木県立美術館

〒320-0043 栃木県宇都宮市桜4丁目4-2-7

TEL:028-621-3566 FAX:028-621-3569

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